2年目の戦力外通告。プロ生活で未熟さを実感
高橋宏幸さんが流通経済大付属柏高校から、東京ヴェルディ1969の新加入選手となったのは2002年、今から2年前のこと。クライフに憧れたミッドフィルダーは、1年目の2ndステージ13試合目、念願のJリーグデビューを果たした。
順調な出足だったが、以後、思うように試合に出られず、2年目の03年11月末に戦力外通告を受けた。もともと加入当初から「グラウンド外の環境に慣れるのには時間がかかるタイプ」と本人も自覚していた。周囲の先輩Jリーガーと接する中で「人間的にも、プレー的にも自分の未熟さを痛感していた」と話す。
「サポーターとの交流やあいさつ、時間厳守など、プロとして、社会人として当たり前のことがうまくできていない気がして……。このままではダメだなと感じていました」
戦力外通告を受ける選手たちは、予感がするらしい。高橋さんもそうだった。しかしいざ通告を受けるとさすがに落ち込んだ。
通告を受けて以降、真剣に自身の今後を考えた。合同トライアウトも受けた。そんな中で大学という選択肢が浮かんだ。彼自身、ヴェルディ加入と同時に流通経済大に進学し、籍を置いたものの、プロ生活に慣れるまではと休学していたのだった。
大学への復学を考え、両親に相談。一方でCSCのキャリアカウンセラーと話すと高松大学がスポーツ特待生として受け入れてくれる(推薦入学)という新たな選択肢が浮上した。
環境を変え、自立をめざす。経済学にも興味

卒業までにパソコンに関する資格と簿記の資格を取るつもり。近ごろ、パソコンにハマっている。
「関東から遠く離れた四国・高松で大学生として自立することを決心しました。サッカー部の監督にJリーグ出身の吉田明博さんが赴任。環境が一新するなかで、サッカーを再び続けられるのもいいと思った」
環境を変える不安より、自立する大学生活の魅力がまさったのだ。
現在は大学近くのアパートに下宿。掃除も洗濯も自分で行う。毎日、大学の講義を受け、夕方からサッカーの練習が新しい生活リズムとなった。講義では「簿記論」やパソコンを扱う実習形式の授業に興味がある。
「大学にいるのだから、学んだことを生かして簿記やパソコン検定など資格取得にもチャレンジしたい」
サッカー部のなかで高橋さんのレベルは一人抜きん出ているが、自分からあれこれ言うことはない。聞かれたら答えるという自然体でいる。それが彼なりのスタイルなのだ。
「先のことはわからないけど、今の生活が充実しているのは確か。まずは大学を卒業することが目標です。Jリーグへの再挑戦も含め、サッカーや将来のことは、この4年間の大学生活で考えたいと思っています」