しかしサッカーの歴史を見るとキャプテンが非常に重い役割を担っていた時代もある。初期のサッカーでは、自チームの選手がファウルをしたかどうか、退場にすべきかどうかなど、それぞれのチームのキャプテンが判断していたという。
今日も、サッカーの母国イングランドではキャプテンは特別な存在として扱われている。ピッチ上のプレーでチームをリードするだけでなく、チームを代表してクラブや社会と向き合う役割を果たしているからだ。
11月のJリーグヤマザキナビスコカップ決勝戦表彰式での準優勝・川崎フロンターレの選手たちの態度が問題になった。私は、あのようなことを防止することこそ、キャプテンの役割ではないかと思っている。
この試合の川崎FのキャプテンはMF中村憲剛選手。日本代表選手であり、最高クラスの才能の持ち主であることは間違いない。この試合でも、彼のプレーは光り輝いていた。
その影響力はピッチを離れても小さくないはずだ。勝つときだけでなく負けるときもあるのがサッカー。それでも全力を尽くしたことをファンや社会に示すため、「胸を張ろう」と自ら率先して実行すれば、チームの雰囲気は簡単に変わる。中村選手への批判ではない。この騒ぎを機に、「本物のキャプテン」へとステップアップしてほしいと願うだけだ。
大住 良之