日本中の注目の下1993年にスタートしたJリーグ。「理念の具現化を」と初代の川淵三郎チェアマン(現JFA名誉会長)がスタッフや所属クラブに呼びかけたのは、ブームが完全に去った96年のこと。「日本のスポーツ文化の振興」というリーグ創設の根本理念を実現させるためのキャンペーンとして「百年構想」がスタートした。
私の違和感など何のその、以来、クラブ運営にたずさわる人びともリーグスタッフも真剣にこのテーマに取り組んできた。それはやがて、Jリーグのクラブをもちたいという地域の広がりを生み、日本中を包むムーブメントとなった。96年にはわずか10の府県に16クラブだったJリーグは、現在、J2も含めて27都道府県に37クラブとなった。そしてその数はさらに増えようとしている。
だがそれは「道半ば」にも当たらない、第二代の鈴木昌チェアマンは「百クラブにしたい」と夢を語った。それもまた「百年構想」にはほど遠い。プロのクラブが全国に百あっても、日本中の人がスポーツを手近に楽しむことはできない。住区単位のスポーツクラブ、小さな村落にも存在するスポーツクラブ。そうしたネットワークの上にセミプロをもつ数百のクラブが、さらに百のプロクラブが全国に存在する…。「百年の夢」の実現のための最初の十数年間は大きな成果を残した。その夢を見続け、努力を続けなければならない。
大住 良之