プレビュー&レポート
2009年10月30日(金)
[ 11/3(火・祝)ヤマザキナビスコカップ決勝 FC東京 vs 川崎F プレビュー ]
いよいよファイナル! Jの聖杯を賭けてライバルが相まみえる
ホームタウンが多摩川を挟んで接するFC東京と川崎Fは、その対戦を「多摩川クラシコ」(クラシコはスペイン語で「伝統の一戦」といった意味)と称して対抗意識を高めている。そのライバル同士が2009Jリーグヤマザキナビスコカップのタイトルをかけて、“聖地”国立競技場で対決。FC東京が2004年以来、5年ぶり2度目の決勝進出で2度目の優勝を、川崎Fは2000年、2007年に続く2年ぶり3度目の決勝で初優勝を狙う。共に直近のJ1リーグ戦を4連勝(川崎Fは第25節、対鹿島の再開試合を含む)と好調で、両チームの持ち味である攻撃的なサッカーとビッグタイトル獲得への強い意志がピッチ上で交錯する、サッカーの醍醐味にあふれた好勝負が期待できそうだ。
準々決勝で名古屋、準決勝で清水を下して決勝にコマを進めたFC東京は、左右への幅広い展開が得点への一つの鍵となるだろう。10月25日(日)に行われたリーグ戦第30節の清水戦は、「揺さぶって、揺さぶって」(城福監督)DF徳永のクロスから2点が生まれ、2−1の勝利。城福監督は「意図した攻撃ができた」と満足の様子だった。左のDF長友、右の徳永という両サイドバックは攻撃面でも大きな役割を担っているが、彼らのタイミングの良い攻撃参加には、中盤の底でプレーのテンポをコントロールするMF梶山の能力が欠かせない。ボランチのパートナーであるMF米本と共に強烈なミドルシュートも持ち味で、中村、谷口という川崎FのMF陣への対応も含め、チームの浮沈を握る存在だ。ストライカーのFW平山には巧みな個人技、思い切りのいいシュートと共に、最前線での体を張ったポストプレーも期待され、MFの羽生、鈴木の積極的な相手ゴール前への進出を促したい。
同じく、鹿島、横浜FMを破って決勝進出を果たした川崎Fは、10月25日(日)のリーグ戦第30節で広島に7−0と圧勝し、「(ヤマザキ)ナビスコカップ(決勝)に向けて、いい弾みになった」(MF森)。だが、2007年のリーグ戦第30節でFC東京に7−0と大勝しながら、その直後のヤマザキナビスコカップ決勝でG大阪に0−1と敗れた経験があるだけに、決して油断することはないだろう。攻撃の基本となるのは縦へのスピーディーな攻撃。ボールを保持した瞬間に攻撃へのスイッチが入り、一気に相手ゴールを目指す連動性は見事というほかない。ボールさばきのうまいFWジュニーニョとパワフルなFW鄭大世が組むツートップは、わずかな相手のすきを逃さずゴールに結びつけ、MF中村は素早い判断からのロングパスで局面を変える。攻守に精力的なFWレナチーニョも、鍵を握る存在の一人だ。鋭いカウンターアタックを繰り出すには、しっかりとプレスをかけて中盤で相手からボールを奪うことが必要になる。
J1第30節の終了後、権田(FC東京)と川島(川崎F)の両GKはこのように話している。
「自分たちのサッカーをして、強い相手を上回ろうというスタイルでやっている」(権田)
「リーグ戦とリーグカップ戦は戦い方が違う。その中で、どのように試合に入るのかが大事」(川島)
決勝という大舞台ではあるが、両チームが戦いなれた基本コンセプトを崩すことはないだろう。一方で、決勝という独特の雰囲気が、それぞれの持ち味、試合運びにどのように影響するのかも興味深い。常に数多くのゴールシーンが期待されるカードだが、まずは試合の展開と行方を占う両チームの立ち上がりに注目したい。