プレビュー&レポート
2010年11月3日(水)
[ 11/3(水・祝)ヤマザキナビスコカップ決勝:試合総括 ]
栄冠は磐田の頭上に。手に汗握る120分間のゴールの応酬を制す
2010Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝が11月3日(水・祝)、国立競技場で開催され、延長戦にもつれ込む熱戦の末に磐田が広島を5−3と振り切り、12年ぶり2度目の優勝を飾った。磐田の5得点は、1回戦制で行われた同大会決勝では最多記録。両チーム合わせて8得点という記録も、同じく最多となった。
敗色が濃厚となりつつあった磐田が、起死回生の同点ゴールを決めたのは89分だった。右CKのボールをMF那須大亮がヘディングシュート。広島のGK西川周作がはじいたところを、エースストライカーのFW前田遼一が押しこみ2−2と追いついた。前田はそれまで、DF槙野智章らの厳しいマークにあってシュートを打つことができなかったが、土壇場でチームを危機から救った。
勢いに乗る磐田は、後半に投入したMF菅沼実とFW山崎亮平が延長戦で躍動。102分には、左CKを那須が頭でつなぎ、菅沼が左足のボレーシュートをゴールネットに突き刺して逆転。その2分後には前田とのパス交換で抜け出した山崎が、ゴール左隅に決めて広島を突き放した。延長戦前半のアディショナルタイムには広島に1点を返されるも、109分に前田が粘り強く持ち込み、再び2点差。延長戦後半のアディショナルタイムにGK川口能活が広島のPKを防いだ直後に、タイムアップのホイッスルが鳴り響いた。柳下正明監督は「相手のリズムの中でも粘り強く一体となって守れるよう成長した。今日の試合でもそれが生かされた」と、激戦の末の勝利を振り返った。
広島はあと一歩でビッグタイトルを逃した。36分に磐田のMF船谷圭祐に均衡を破られたが、43分にMFミキッチが右サイドで2人のマークを振り切り、低く鋭い折り返しでFW李忠成の同点ゴールをアシスト。後半開始直後の48分には自陣からの縦パスを受けたMF山岸智がGKと1対1となり、冷静に流し込んで逆転した。後半の途中にはMF青山敏弘、DF横竹翔を起用して逃げ切りを図ったが、90分の終了直前に追いつかれた。延長戦では槙野がFKを直接決めて1点差に迫ったものの及ばなかった。ペトロヴィッチ監督は「(80分ごろから)1点のリードを守り切ろうと、かなり守備的になってしまった。その姿勢が失点につながったのかもしれない」と終盤の戦いぶりを悔やんだが、「リードされながらも強い意志を持って戦った」と選手たちの健闘をたたえた。
決勝の最優秀選手に選ばれたのは、貴重な2得点をマークし、船谷の先取点、山崎のゴールをおぜん立てするなど、磐田を勝利に導いた前田。柳下監督が「90分を過ぎて一段と彼のすごさが出た」という活躍だった。