[ 試合レポート ]
FC東京が粘って殊勲の勝利。日本のチームとして初優勝を飾る
2009Jリーグヤマザキナビスコカップに優勝したFC東京と、南米のコパ・スダメリカーナ2009を制したリガ・デ・キト(エクアドル)の対戦となった「スルガ銀行チャンピオンシップ 2010 TOKYO Jリーグヤマザキナビスコカップ/コパ・スダメリカーナ 王者決定戦」が8月4日(水)、国立競技場に1万9423人の入場者を集めて行われた。試合は2−2の同点で90分間を終え、大会規定によりPK方式の決着となり、4−3でFC東京が勝利。2008年に始まった同大会で、初めて日本のチームが優勝を飾った。
南米で急成長を見せているリガ・デ・キトを相手に、FC東京の出足は素晴らしかった。スピーディーなパスワーク、カウンターアタック、セットプレーという多彩な攻めから、MFの森重真人、石川直宏、DFキム ヨングンのシュートがゴールの枠をとらえた。だが、守勢に回っていたリガ・デ・キトも試合巧者ぶりを見せて、最初の決定機で均衡を破った。29分にFWエルナン・バルコスがFWフアン・サルゲイロのパスを受けて、右足でゴールネットを揺らした。FC東京もひるむことなく反撃。その5分後、左サイドから粘り強くパスをつないだ後、MF田邉草民が思い切ったミドルシュート。ボールの勢いに押されたGKアレクサンデル・ドミンゲスがはじいたところを、すかさずFW平山相太がけり込んで同点とした。
両チームとも相手のディフェンスラインの背後を意識したパスが目立つようになった後半、リガ・デ・キトが63分に再びリードを奪う。FC東京の選手の反則で得たPKをMFパトリシオ・ウルティアがGK権田修一の逆を突いて決めた。FC東京は後半から出場のMF梶山陽平が左右へパスを散らし、攻撃の起点を変えては突破口を探った。その粘り強い攻撃が実ったのは後半ロスタイム1分。DFキム ヨングンからのロングパスを平山が競り合い、相手の背後に落ちたところに走り込んだのは、リガ・デ・キトのエドガルド・バウサ監督が「非常にいい選手」と警戒していたFW大黒将志。独特の得点感覚を発揮し、絶妙のタッチとタイミングでボールをゴール左隅へ流し込み、土壇場で再び追いついた。
PK戦では権田が相手の一番手のキックをセーブ。「試合中に(PKを)決められた選手だったので、『止めてやる』という気持ちだった」という守護神の気迫が勝利を手繰り寄せた。「自分たちのサッカーを見せるいい機会、と開き直った」(城福浩監督)FC東京は、「ピッチに立った選手が個人としても、チームとしても、血となり肉となるような貴重な経験」(同監督)を積んだだけでなく、南米の強豪を相手に国際タイトルをつかむという大きな実績も残した。